中国紅茶の魅力:ラプサンスーチョン、キームン、雲南紅茶を探る
2025/08/02
中国は、まさに茶の故郷。その数千年にわたる歴史の中で、様々な種類のお茶が生まれ、育まれてきました。中でも紅茶は、その芳醇な香りと奥深い味わいで、今や世界中の人々に愛される特別な飲み物です。
一口に「中国紅茶」と言っても、そのバリエーションの豊かさには目を見張るものがあります。北は安徽省の山間から南は雲南省の高原まで、それぞれの産地が持つ独特の風土と、長年受け継がれてきた伝統的な製法が、唯一無二の個性を生み出しています。
このコラムでは、そんな奥深い中国紅茶の世界へと皆さんをご案内します。それぞれの銘柄が持つ歴史の物語に触れ、その一杯に込められた情熱と技術を感じてみてください。芳醇な香りと複雑な味わいの先に、きっとあなたの心を豊かにする、とっておきの一杯が見つかるはずです。
目次
お茶の発祥地中国:悠久の歴史が育んだ「茶」の文化
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お茶の発祥地中国
悠久の歴史が育んだ「茶」の文化
中国は、お茶の発祥地。緑茶を含めると世界で最も多くの茶を生産し、その消費量も群を抜いています。しかし、いつ頃からお茶が人々に飲まれ始めたのか、その正確な時期は、悠久の歴史の中に埋もれています。
神話から文献へ:茶の起源を辿る
お茶の始まりについては、紀元前2700年頃にまで遡る伝説が語り継がれています。それは、中国神話に登場する医薬と農耕の神である炎帝神農(えんていしんのう)が、偶然にもお茶の葉を見つけ、その効能を知り、人々に伝えたというものです。彼は自らの体で様々な薬草を試し、毒にあたった際に茶葉を口にし、その解毒作用に気づいたとされています。この神話は、お茶が古くから薬として認識され、人々の生活に深く根ざしていたことを示唆しています。
伝説から時を経て、お茶に関する確かな記述が文献に現れるのは、三国志の時代(242〜283年頃)です。これは、お茶が単なる薬から、嗜好品として飲用されるようになった転換期を示しています。漢の時代から三国時代、そして唐の時代にかけて、お茶を飲む習慣は徐々に中国全土へと広がりを見せました。
『茶経』の誕生と茶文化の確立
特に唐の時代(618年〜907年)は、中国の茶文化において画期的な時代となりました。都・長安では、唐が建国されてから100年ほど経つと、人々が気軽に立ち寄れる茶店が出現し始め、お茶は庶民の生活にも深く浸透していったのです。
そして西暦780年、唐代中期に文人であった陸羽(りくう)が著した『茶経(ちゃきょう)』は、中国茶の歴史において非常に重要な役割を果たしました。この書物は、お茶の栽培から製造、淹れ方、そして茶器に至るまで、当時の茶に関するあらゆる知識と文化を体系的に解説した茶書であり、後に日本を含む東アジアの茶文化に絶大な影響を与え世界各地に茶の存在を知らしめることとなりました。『茶経』の誕生により、お茶は単なる飲み物から、芸術的・哲学的な意味合いを持つ「道」として確立される一歩を踏み出したと言えるでしょう。
中国紅茶の誕生:偶然が生んだ物語
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前章では、お茶の故郷である中国の悠久の歴史と、茶文化の確立についてご紹介しました。しかし、今日世界中で愛される「紅茶」は、緑茶とは異なる、比較的新しい歴史を持っています。その誕生は、まさに偶然が生んだ奇跡とも言えるものでした。
世界初の紅茶「正山小種」の誕生秘話
紅茶は、緑茶や烏龍茶と同じ茶の葉から作られます。その秘密は、茶葉が持つ「酸化酵素」の働きを利用した発酵にあります。緑茶がほぼ発酵させない「不発酵茶」であるのに対し、烏龍茶は「半発酵茶」、そして紅茶は「完全発酵茶」として、より発酵を進め生産されます。
紅茶のルーツは、烏龍茶をはじめとする発酵茶の誕生地でもある中国福建省にあります。特に福建省の武夷山(ぶいさん)は、その起源と深く結びついています。16世紀後半に烏龍茶が出現したのとほぼ同時期、17世紀前半には、武夷山星村桐木村(せいそんとんむ)で、世界初の紅茶である『正山小種(ラプサンスーチョン)』が作られたとされています。
この『正山小種』の誕生には、興味深い物語があります。かつて戦争で敗れた人々が桐木村の地に逃れ、緑茶を作って生計を立てていました。16世紀末頃になると、彼らの住む街では烏龍茶が人気を博し始めます。そこで桐木村の人々も烏龍茶を作ろうと試みますが、茶葉を途中まで発酵させる「半発酵」の技術をなかなか会得できませんでした。武夷山が標高1155メートルと高く、気温が低かったことも、発酵が進みにくかった一因かもしれません。
彼らは試行錯誤の末、発酵を促すために茶葉をより強く揉捻(じゅうねん)し、茶葉から出る汁によって酸化発酵を進めようとしました。さらに、松柏(しょうはく)の木を燃やし、その熱と煙を利用して発酵を促進させようとします。ところが、強く揉捻しすぎたことで茶葉は烏龍茶よりも強く発酵し、さらに松柏の独特な煙の香りが付いてしまいました。
しかし、こうして出来上がった茶葉は、烏龍茶とは全く異なる、予期せぬ風味を持っていました。強く着香された煙の香りは、まるで竜眼(リュウガン:ライチに似た甘い果実)のような甘く豊かな香りと結びつき、人々を驚かせたのです。
世界へと広がる紅茶:「ボーヒー」の物語
この偶然の産物である発酵させた茶は、瞬く間にヨーロッパで評判となりました。特に品質が劣化しにくく、長期間の輸送にも耐えるという特性が、海上交易が盛んだった時代に重宝されたのです。ヨーロッパの人々は、より強く発酵させた茶を求め、中国の茶師たちはその要望に応えていきました。
こうして誕生した世界初の紅茶は、武夷山の英語表記である「BOHEA(ボーヒー)」に由来し、イギリスでは「ボーヒー」や「ボヘアティー」と呼ばれるようになりました。17世紀初頭には、中国の茶がイギリスで圧倒的な支持を得るようになります。当初は烏龍茶系の茶が主流でしたが、18世紀終盤から19世紀頃になると、発酵度をさらに高めた工夫紅茶(コンフーホンチャ)が飛躍的に飲まれるようになり、今日の紅茶文化の基礎が築かれていったのです。
中国紅茶ラプサン・スーチョン:燻香が生み出す唯一無二の個性
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前章で、偶然の産物として誕生した世界初の紅茶「正山小種」をご紹介しました。その「正山小種」こそが、今回ご紹介するラプサン・スーチョン(正山小種/英名:Lapsang Souchong)のルーツであり、唯一無二の個性を放つ紅茶として今も世界中で愛されています。
燻香の芸術:ラプサン・スーチョンの誕生と特徴
ラプサン・スーチョンは、「世界初のフレーバーティー」とも称されることがあります。これは、前章で触れたように、偶然にも松の木の煙の香りが茶葉に付着した「正山小種」の風味が評判を呼び、その煙の香りを意図的に付けて生産されるようになったことに由来します。最初は偶然の産物でしたが、その独特な香りが人気を博したため、茶師たちはその製法を確立し、一つのスタイルとして昇華させたのです。
ラプサン・スーチョンが生産されるのは、福建省の武夷山一帯、特に桐木村など標高の高い山間部です。伝統的な製法では、摘み取られた茶葉を萎凋(いちょう)させた後、揉捻し、最終的に松の木や杉の薪を燃やして発生する煙で乾燥させる、または燻す工程を経ます。この独特の工程が、ラプサン・スーチョン最大の特徴である強烈なスモーキーフレーバーを生み出すのです。
その香りは、例えるなら「正露丸のよう」「ウイスキーのよう」と形容されるほど、紅茶の概念を覆すような個性を持っています。初めて口にする方の中には、その強烈な燻香に驚く人も少なくありません。しかし、その力強い香りの奥には、ほんのりと竜眼(ライチに似た果実)のような甘くフルーティーな香りや、時にはチョコレートのようなニュアンスも感じられることがあります。この複雑な香りのハーモニーこそが、多くのファンを魅了してやまない理由です。
味わい方:ストレートからミルクティー、フードペアリングまで
ラプサン・スーチョンは、ブラックティーとしてストレートで淹れると、そのスモーキーでパワフルな香りが存分に楽しめます。独特の香りは非常に強く、他の紅茶とは一線を画します。
意外にも、この強烈な個性を持つ紅茶はミルクティーにすると格別の美味しさを発揮します。ミルクを加えることで燻香がまろやかになり、紅茶本来の甘みやコクが引き立ち、まるで燻製チーズのような、あるいは暖炉のそばでくつろぐような、温かく包み込むような味わいに変化します。
また、そのスモーキーな特性から、フードペアリングにも最適です。スモークサーモン、BBQ、ベーコンといった燻製食品や、濃厚な肉料理、スモークチーズなどとの相性は抜群です。食後に消化を助ける飲み物としても、その独特の香りが食事の余韻を深めてくれます。
ラプサンスーチョンは、好き嫌いが分かれるかもしれませんが、一度その魅力にとりつかれると忘れられない、非常に個性的な中国紅茶です。ぜひ、その深い香りの世界を体験してみてください。
アールグレイの起源はラプサンスーチョン!?
03.5
今日、世界で最もポピュラーなフレーバーティーとして知られるアールグレイ。実は、このアールグレイの誕生に、ラプサン・スーチョンのルーツである正山小種が深く関わっているという興味深いエピソードがあります。(諸説あります)
物語の主人公は、19世紀初頭のイギリスで首相を務めたグレイ伯爵(アール=伯爵)です。当時のイギリスでは、中国から輸入されるお茶が社交の場で重要な役割を担っていました。1830年代にグレイ伯爵が首相を務めていた頃、彼は中国の使節団が持ち帰ったある紅茶を非常に気に入り、その香りの再現を老舗の茶商トワイニング社に注文しました。
使節団が持ち帰ったその紅茶こそ、中国武夷山で生産された正山小種だったのです。正山小種は、松柏で燻煙されたスモーキーな香りが特徴ですが、初めて飲む人にとっては「本当に紅茶なのか?」と思うほど、その燻香は強烈で独特です。
しかし、当時の状況がその香りの印象を和らげました。広大な海を越えて中国から運ばれる間に香りが薄れ、さらにイギリスの硬水で淹れることで、本来の強烈なスモーキーさは影を潜め、むしろ柔らかく、果実のような香りとして感じられたのです。この「果実のような香り」は、中国の甘い果実「竜眼(リュウガン)」の香りに例えられました。
さて、この「竜眼のような香りの紅茶」の再現を依頼されたトワイニング社は困惑します。「竜眼」が具体的にどのような香りを持つ果実なのか、当時のイギリスではあまり知られていませんでした。そこでトワイニング社は、代わりに柑橘系の果実「ベルガモット」の香りを茶葉に着香する方法を考案します。
こうして偶然と創意工夫が重なって生まれたのが、今日世界で愛されるフレーバードティーの一つ、アールグレイなのです。
さらに興味深いことに、トワイニング社はこの時、アールグレイの製法に特許を取りませんでした。そのため、現在では茶葉の種類に関わらず、ベルガモットが着香されていれば「アールグレイ」として販売できるようになり、今日私たちは、様々なブランドや茶葉の個性が光る、実に多彩なアールグレイを楽しむことができるようになりました。
中国紅茶キームン:紅茶の女王が放つ、華やかな蘭のような香り
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ラプサン・スーチョンが力強い個性で私たちを魅了するならば、今回ご紹介するキームン(祁門紅茶/英名:Keemun)は、その優雅で芳醇な香りで「紅茶の女王」と称され、世界中の紅茶愛好家を虜にしてきました。インドのダージリン、スリランカのウバと並び、世界三大銘茶の一つに数えられる、中国を代表する紅茶です。
「紅茶の女王」を育む自然:安徽省の風土
キームンが生産されるのは、中国南東部に位置する安徽省(あんきしょう)の祁門県、特に雄大な黄山山脈の周辺に広がる地域です。この地域は亜熱帯気候に属し、年間平均気温は高めですが、山間部ならではの特性がキームン特有の風味を育んでいます。
黄山山脈の近くでは、日中の気温差が非常に大きく、また年間を通して雨量が多いという気候条件が揃っています。この豊かな霧と湿潤な環境が、茶葉の生育に理想的な条件を提供し、キームンが持つ複雑で奥深い香りの形成に大きく貢献しているのです。山々に囲まれた地形は、茶畑を厳しい日差しから守り、ゆっくりと茶葉が成長することを促し、繊細なアロマを生み出す土壌となっています。
香りの特徴:蘭、林檎、そして糖蜜のような香りのハーモニー
キームンの最大の魅力は、その独特の香りです。それは、まるで蘭の花を思わせるような高貴なフローラルな香りに、熟した林檎のようなフルーティーな甘さ、そして微かに焦がした糖蜜(カラメル)のような甘く芳醇な香りが複雑に絡み合った、まさに唯一無二のアロマです。インドやスリランカの紅茶が持つ力強さとはまた異なる、オリエンタルで華やかな香りが、キームンを「紅茶の女王」たらしめています。
味わいに関しても、キームンは非常にバランスが取れています。口に含むと、香りに呼応するようなまろやかな甘みが広がり、同時に感じるのは、ごくわずかな渋みと、ほのかに感じるスモーキーフレーバーです。この微かなスモーキーなニュアンスが、キームンの飲みやすさを保ちつつも、忘れがたい印象深さを与えています。総じて、非常になめらかで上品な口当たりが特徴です。
誕生の歴史:新たな紅茶の夜明け
キームンの歴史は、ラプサン・スーチョンに比べると比較的新しいものです。その誕生は1876年。清朝の官職を退き、故郷の安徽省に帰ってきた余千臣(Yú Qiānchén)という人物によって、新たな幕が開かれました。彼は、それまで緑茶の産地であったこの地で、紅茶工場を設立し、上質な紅茶の生育に成功したのです。
余千臣の努力と探求により生まれたキームンは、その卓越した品質と香りで瞬く間に評価を高めていきます。そして、その品質の高さが世界に認められたのは、1915年に開催されたパナマ太平洋万国博覧会(通称:パナマのモンドセレクション)でした。この国際的な舞台で金賞を受賞したことで、キームンは一躍「世界三大銘茶」の地位を不動のものとし、中国紅茶の新たな歴史を刻んでいったのです。
キームンは、ストレートで淹れると、その繊細で複雑な香りを存分に堪能できます。ミルクや砂糖を加えず、シンプルにその優雅な風味を楽しむのがおすすめです。優雅なティータイムを演出するのに最適な一杯と言えるでしょう。
雲南紅茶:芳醇なコクと甘みが織りなす「金の輝き」
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中国の西南部に位置する雲南省は、お茶の原産地の一つとして、非常に多様な茶を育んできました。中でも有名なのは、緑茶を菌発酵させる独特な「黒茶」の一種であるプーアール茶です。しかし、この豊かな大地からは、プーアール茶とは異なる魅力を持つ、芳醇な紅茶も生まれています。それが、今回ご紹介する雲南紅茶(うんなんこうちゃ)、別名滇紅(てんこう/英名:Dian Hong)です。
「滇」の地が育む紅茶:恵まれた自然環境
雲南紅茶が生産されるのは、中国の南西部。ミャンマー、ラオス、ベトナム、そしてチベット自治区と隣接する、まさにアジアの十字路とも言える広大な土地です。雲南省は、その略称が「滇(てん)」であることから、雲南紅茶は「滇紅」とも呼ばれ、広く親しまれています。
この地域は、その広大な面積と複雑な地形から、多様な気候帯を持ちます。標高1000mから2000mといった高地に茶畑が広がり、昼夜の大きな気温差、豊富な日照時間、そしてモンスーンの影響による適度な降雨が、茶葉の生育に理想的な条件をもたらしています。また雲南省南部からラオス北部、ミャンマー・アッサム地方にかけての山間地帯は茶木の原産地と考えられおり、中国種のような小葉種から大葉種のアッサム種、それらの中間種など様々な茶木が見られます。特に、雲南省には雲南大葉種(だいようしゅ)と呼ばれる、アッサム種の近似種を栽培しており、これが雲南紅茶独特の豊かな風味とコクの源となっています。
この地では1700年以上前から自生する茶木を利用して茶が生産されてきましたが、紅茶の歴史は、正山小種やキームンに比べると比較的新しく、本格的な生産が始まったのは20世紀に入ってからです。比較的短い歴史ですが、雲南紅茶は瞬く間にその地位を確立し、今では中国紅茶を代表する銘柄の一つとなっています。
黄金の輝き:独特の甘みとスパイシーなコク
雲南紅茶の茶葉は、その見た目も特徴的です。特に品質の高いものは、新芽を多く含み、産毛が金色に輝く「ゴールデンチップ」が豊富に見られます。この金色の芽が、雲南紅茶が「金色に輝く紅茶」とも称される所以です。水色(すいしょく)もまた美しく、赤みを帯びた深いオレンジ色から、琥珀色まで、淹れ方や茶葉の種類によって様々な表情を見せてくれます。
味わいの特徴としては、まずその少ない渋みが挙げられます。口に含むと、ほのかな甘みと、驚くほど強いコク味が広がります。このコクは、インドのアッサム紅茶に似ていると言われることもありますが、アッサムよりもずっとソフトで、より複雑な「フレーバリー」な飲み口です。
そして、雲南紅茶を特徴づけるのが、その独特のスパイシーな香味です。シナモンやコショウのようなニュアンスを感じることもあれば、花のような香りや、蜂蜜、ナッツ、さらにはさつまいものような甘い香りが感じられることもあります。これらの香りが複雑に絡み合い、飲む人に豊かな印象を与えます。
飲み方と楽しみ方
雲南紅茶は、その繊細な甘みと強いコクから、ストレートでじっくりと味わうのがおすすめです。特に高品質なゴールデンチップを多く含むものは、シンプルに淹れることで、その複雑な香りとまろやかな口当たりを最大限に楽しめます。
また、その力強いコクと甘みは、ミルクティーにも非常に良く合います。ミルクを加えることで、紅茶本来の風味がより一層引き立ち、まろやかで温かい一杯を楽しむことができます。朝食時や午後のティータイムに、様々な方法で雲南紅茶の奥深い魅力を堪能してみてください。
中国紅茶で広がる、あなたのティータイム
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最後までお読み頂きありがとうございました!このコラムでは、遥か昔からお茶の文化を育んできた中国における紅茶の奥深い世界をご紹介してきました。偶然の発見から生まれたスモーキーなラプサン・スーチョン、気品あふれる香りで「紅茶の女王」と称されるキームン、そして芳醇なコクと甘みが特徴の「金の輝き」雲南紅茶(滇紅)。
それぞれが異なる物語と個性を持ちながらも、共通して私たちに語りかけてくるのは、悠久の歴史と、茶師たちの情熱、そして中国の豊かな自然が織りなすハーモニーです。一般的なインドやスリランカの紅茶とは一線を画す、その多様で複雑、そしてどこかエキゾチックな風味は、きっとあなたのティータイムに新しい発見と喜びをもたらしてくれるはずです。
当店で、特別な一杯を
「どれも魅力的で、一体どれから飲んでみようかな?」と感じていただけたら、嬉しい限りです!
当店では、そんな中国紅茶の中からキームンを自信を持ってご提供しています。その蘭のような華やかな香りと、まろやかで上品な味わいは、まさに至福のひとときを演出してくれるでしょう。ストレートでじっくりと、その繊細な香りを堪能してみてください。
さらに、当店では季節ごとに、今回ご紹介したラプサン・スーチョンや雲南紅茶(滇紅)など、他の個性豊かな中国紅茶を期間限定メニューとしてご提供することもございます。ぜひ、当店のSNSやウェブサイトをチェックして、その時々の特別な出会いを見つけてくださいね。
いつものティータイムに、ちょっとした冒険と彩りを加えてみませんか?ぜひ当店で、オリエンタルな魅力あふれる中国紅茶を味わい、その奥深い世界を体験してみてください。きっと、あなたにとって忘れられない一杯となるはずです。皆様のお越しを心よりお待ちしております!
参考文献 一覧
・日本紅茶協会「紅茶の大辞典」成美堂出版 2013 271p.
・磯淵猛 「紅茶辞典」 株式会社新星出版社 2008 222p.
・磯淵猛 「紅茶の教科書」 株式会社新星出版社 2023 222p.